自動車事業部 自動車営業部 名古屋営業課 兼 企画本部 経営企画室 AI・IoTプロジェクト ※1
2017年入社

T・N

自動車営業部への配属と同時にAI・IoTプロジェクトに就任。名古屋の若手ホープとして活躍

QOL事業部 QOL営業部 マーケティング課 兼 企画本部 経営企画室 AI・IoTプロジェクト ※1
2006年入社

K・K

現QOL事業部での営業経験を経てマーケティング課へ配属。部門のブレーンとして、部下の育成にも尽力。


※1 2020年3月時点。2020年4月にAI・IoTソリューショングループとして事業化。

いま話題のAI・IoTに取り組んでいることも、北村化学産業の特徴のひとつ。そのヒミツを探るべく、K・KさんとT・Nさんへインタビュー!老舗商社北村化学産業の新しいチャレンジをお伝えします。※2

※2 対談内容はすべて2020年3月時点のもの。


プロジェクトの概要について教えてください
K・K:
当社は創業より120年を超える長い年月の間、化成品や樹脂に携わっており、製造業の更なる進化や効率化を助けるために事業を展開してきました。これまでの商品に付け加えて、製造業の抱える課題(人手不足、技術伝承など)のソリューションとして「AI・IoT」の分野に取り組んでいます。
T・N:
北村化学産業は長い歴史があって、たくさんの取引先と深い信頼関係を築き上げてきました。そのため、現場に多くの困りごとが存在することを把握していました。
K・K:
大勢でやっていた検品作業を自動化していきたい。職人に頼っていた技術にAIを導入していきたい。お客さまの悩みは様々だよね。
T・N:
そうですね。ずっとお客さまとお付き合いしてきたからこそ、悩みに深く寄り添うことができますし、どのような課題を抱えているのかが分かります。それをAI・IoTの力で解決していくというのが、プロジェクトの簡単な説明になります。
プロジェクトの経緯は?
K・K:
化成品・樹脂とIT技術を組み合わせると顧客に対する提案能力を高めることができるのではないか、という当社の取締役の着想がスタートです。
実際、AIやIoTの技術革新によってあらゆる産業の再定義が進みつつありますし、次世代に求められています。
T・N:
プロジェクトは2019年5月にスタートしました。メンバーは7名いて、私のような20代もいれば、50代の方もいます。幅広い世代が参加しています。
K・K:
あくまでAI・IoTは課題解決に使われるツールの1つという考え方です。機材や設備メインの商社やAI・IoTの分野が得意な企業はたくさんありますが、化学品商社という視点で同じことをしている会社はあまりないと思います。当社には、老舗だからこそ培ってきた専門知識とネットワークがありますし、お客さまに本当に適切なソリューションを提案することで、お客さまのさらなる成長と発展に貢献するというミッションがあります。
T・N:
まったく新しい取り組みというよりも、AI・IoTはこれまでの取引先にさらにシナジーを生み出す効果があると考えています。突拍子のないようなことに見えるけれども、実はこれまでやってきたことと相乗しながら、新しい切り口でお客さまの事業発展に貢献することができる。当社の立ち位置だからこそ出来る取り組みだと思いますね。
K・K:
そうだね。その通りだよね。
T・N:
単にAI・IoTのテーマが増えただけではなく、結果的に原料のご相談をいただく機会も増えたと感じています。
社内でのお二人の立ち位置は教えてください
T・N:
私は自動車営業部の名古屋営業課の所属で、AI・IoTプロジェクトを兼務しています。自動車関連の営業メンバーにプロジェクトの意図を伝えて、浸透させていくことなどは、私の重要な役割の1つです。
K・K:
私が所属しているQOL事業部のマーケティング課は、最適な提案をするための戦略を練る作戦部隊になりますね。他のメンバーに対して、AIやIoTの提案がお客さまの困りごとの解決手段の一つになるという事を知っていただき、活用してもらうのが私の役割です。
T・N:
名古屋のAI・IoTプロジェクトのメンバーは私1名のみとなります。
私は入社間もないですが、東京にいるK・Kさんや他のメンバーに相談するとすぐにサポートしてくださるので、すごく心強いと思っています。
K・K:
そうだよね。T・N君は拠点が離れているから何かあったらみんながすぐに支えていますし、若手が思ったことを発信しやすい雰囲気を心がけています。
プロジェクトに参加前後での気持ちや考え方の変化について教えてください
T・N:
プロジェクトに選ばれたときはうれしいと思いましたね。入社1年目のマーケティング研修でプレゼンテーションを行ったときに、商社機能とインターネットを組み合わせた、新しい取り組みを提示しました。それを上層部の方々が覚えていてくださって、プロジェクトメンバーとして声をかけていただきました。それまでは、AI・IoTは映画に出てくるように、機械が何でもやってくれるようになる、というイメージを思い描いていたのですが、実際にプロジェクトに取り組んでみると万能なものではないということに気づかされましたね。
K・K:
そうだよね。いざ勉強をしたときのギャップは大きかったよね。
T・N:
機械がこれまでの産業や人間の仕事の根本を変えてくれるという、ざっくりとしたイメージしかありませんでした。ですが、課題を解決するには、機械に任せればよいというものではなく、人間のアイデアと知恵を組み合わせる必要があるということに気がつきました。
問題点を浮き彫りにするために何度も聞き取りをするなど、細かいプロセスが求められます。そういう意味では、すごく泥臭いですし、我々が汗をかくことで価値が生まれるというイメージへと変化しました。
K・K:
すごくわかりやすいね。上層部の方々からプロジェクトのお声がけをいただきましたが、はじめは戸惑いました。ずっとデジタルやITと関わってきた訳ではありませんし、これまでは主に梱包資材や食品向けの容器などパッケージングの販売に携わっていましたから。
しかし、AI・IoTは、次世代において省人化や製造業が抱える課題の解決手段として使われるのだろうなというイメージはありましたし、それは今も変わらないです。これまでにない分野を扱うため、新しい知識が増えて提案の幅を広げられるということが新しい発見になっていますし、常に技術は進化していくのでもっと勉強しないといけないと思っています。
プロジェクトの仕事の進め方と通常の仕事の違いを感じていますか?
T・N:
基本的には、大きな違いはないと考えています。我々がお客さまの課題を引き出し、プロフェッショナルな協業先と解決のアプローチを模索していくスタイルは一緒になりますから。
K・K:
私も根本的な考え方は同じだと考えています。お客さまの困っていることに寄り添って提案していますので。車と馬車の例え話になりますが、「早く到着するために欲しいものは?」と聞かれたとき、通常は早く走る馬を提供することに終始してしまいます(従来の提案)。そこに、お客さまがあまり考えていない「車」を提供する、それがAIやIoTにあたると考えていますね。
T・N:
強いて言うのであれば、面談時に現場を見せていただく機会が増えたというイメージがありますね。お客さまの現場を知ることで知見を広げることができますし、従来の原料販売ビジネスにおいても一歩踏み込んだ提案ができるという手応えも感じています。
どのようなときにプロジェクトで面白みを実感しますか?
K・K:
社会のニーズに合っていることだと思いますね。本当に困っている方が多いので経営者や上層部の方々とも比較的スムーズにお会いしたり、お話を伺うことができています。「北村さんからこういう提案をしていただけるんですね」というお声がけをいただいたときは幅が広がったと感じましたね。
T・N:
そうですね。はじめはお客さまから変わった目で見られると思っていましたが、全く逆で「本当に困っているから現場を見て欲しい」とすぐに言ってくださる方ばかりでした。そこから自信がついたと思います。
K・K:
結構興味を持って話を聞いてくださいますね。普段接している担当者の方からは、「今のところは・・・」という反応をいただいた後になって経営者の方から「ぜひ詳しく聞かせて欲しい」とご連絡をいただいたこともありました。
T・N:
やはりAI・IoTプロジェクトに携わったことで、自らの領域がとても広がったことがうれしいですね。現場の設備や工程まで踏み込めるようになりました。AI・IoTのご提案をきっかけにさらにコミュニケーションが深まって、原料関連のご発注をいただくことも増えましたね。
K・K:
すごくいいことを言うね。AI・IoTとこれまでのビジネス、それぞれがいい相乗効果を生み出していくことがプロジェクトの本質だから。
プロジェクトを進める上で苦労したことは?
K・K:
ほとんどのメンバーは文系出身なので、まずは勉強することからスタートしましたね。プログラミングの知識、電気の知識、樹脂や金型、熱など、様々な知識が求められますから。
T・N:
文系人間には難しいから、非常に厄介ですよね(笑)
K・K:
メンバーの中にはAI・IoTに精通している人もいますが、やはり全体の底上げも必要になります。定期的に勉強会を開催していたので、7名のメンバーが挫折することなく、日本ディープラーニング協会の資格を取得しましたね。今も月1~2回、定例会を開いて情報共有をしたり機械周辺の勉強をしています。
T・N:
私が個人的に取り組んでいることは、設備やシステムに関わる論文や白書、データを読み込み、最新の動向やソリューションをリストアップすることですね。
K・K:
すばらしいね。AI・IoTの知識はもちろん必要ですが、高度な技術を利用したり、導入をしなくても、工夫や別の方法で効率がよくなったり、課題解決につながることもあります。お客さまによって予算や求められるものが異なりますから。より良い提案を行なうためには、機械や製造業の知識が不可欠となります。プロジェクトメンバーは全員納得していますし、T・N君のように色々な知識を習得するために頑張っていますね。
T・N:
あとは、当社でははじめての取組みになったので、最初期はどうしても社内で理解されにくい部分がありましたね。とはいえ、引き合いや案件が増えていくにつれて、社内でのAI・IoTプロジェクトを見る目が確実に変わってきました。このプロジェクトの意図を伝えて浸透させることは大変でしたが、仕事が進んでいる実感があるのが楽しいです。
このプロジェクトで目指している目標や描いている未来のイメージを教えて下さい
T・N:
目標は、お客さまの課題解決をかたちにしたソリューションを開発すること。プロダクトとして展開し、業界全体の発展に貢献したいと考えています。我々は色々な企業とお付き合いしていますから、なかなか世の中に出てこない課題をキャッチアップしやすい立場にいます。1つの企業の悩みかと思いきや、それは業界全体に共通しているということもしばしばあります。そこで、共通の悩みを解消できるソリューションが提案できれば、それは汎用性があります。AI・IoTをきっかけに取り組みの一つを汎用化し、いずれは展示会のブースでそのソリューションを出展したりと、新たな道を切り拓いていければ、という想いがあります。
K・K:
AI・IoTはまだ浸透していないからこそ、いくらでも可能性が広がっているよね。お客さまの困りごとをAI・IoTで解決していくという視点はまだまだこれからも広がっていきますから、チャンスがたくさんあると思います。
T・N:
格好よく言えば、業界に革命を起こすことができれば最高ですよね。
K・K:
北村化学産業の社員全員が、T・N君のように自分なりのアプローチでお客さまのニーズや未来を想像しながら提案したらよい方向へ行くのではないでしょうか。今後どういうものが求められるのかに思いを馳せながら、常に最適な提案をしていくことが求められますから。いまの時代、脱プラスチックやSDGsなどの新しい価値観が次々と生まれていますよね。世の中がすごい速さで変化していますが、一つの手段としてAI・IoTは今の製造業でホットな話題なので、そこに取り組む価値は大いにあると感じます。

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